リノスペで実際にレンタルキッチンビジネスに取り組んでいるオーナー様の「リアルな」声をいただく為に、お話を伺いました。
今回はリノスペkitchen赤坂ミツワのオーナー、中山様のインタビューをお届けします。
─本日はよろしくお願いいたします。
さっそくですが、中山様はYOUTUBE番組に出演されたとか?
中山様
はい。フランチャイズ探偵団っていうYOUTUBEチャンネルがありまして、そこにリノスペのフランチャイジーの一人として、どういういきさつで加盟したかとか、実際に加盟して良かったところなどのインタビューを受けました。
─なるほど。本日のインタビューも同じような内容になりますが、ぜひよろしくお願いいたします。
ちなみに、どの店舗を運用されているかお伺いしてもよろしいでしょうか?
中山様
リノスペキッチン四谷店と四谷三丁目店を運用しています。
プラットフォームはスペースマーケットとインスタベースに掲載されてますね。
─では、まずどの辺に興味を持たれてリノスペを始めようと思ったのか伺えますでしょうか。
中山様
そうですね、もともと私自身はヘッドハンティングやエグゼクティブサーチのような人材紹介の会社を経営しております。
組織開発を行うような事業を展開している中で「人が集まる場所」であったり、あるいは「ストックビジネス」に興味を持ったのが動機の一つです。
あと、もう一つが本業とは別に、私の出身地でもあるさいたま市で、古民家を改装したベーグル屋さんを営んでおります。
考え方として、アーバンビジネスという形で都内で仕事をしながらも、地元に何かしら貢献できるようなローカルビジネスはやりたいなと思っておりまして。そこで地元にてベーグル販売をフードトラック、いわゆるキッチンカーで行っております。
けれど、販売だけで売上を取っていくのは難しい。そこでレンタルスペースっていうものを使って、例えばレンタルスペースで空いてる時間で、自分たちで製造の許可を取ってベーグルを作って、それをフードトラックで販売する。
そして、売れ残ったらレンタルスペースの冷蔵庫とか店頭に置いて無人販売で売る、というスキームができるのではと考えていました。
作ったものを販売する場所もあり、作れる場所もあり、作ってない時には人に貸し出せる…といういわゆるキッチンカーがスペース貸し事業を内製化という、ただそれだけの話ではありますが、そういう事業ができるなと思って始めたんです。
─なるほど。それはとても面白いですね。
では初めから、ご自身で利用されるイメージもあり、で、空いた時間はそのレンタルスペースとして使おうという。
中山様
そうです。やはりレンタルスペースはいかに「稼働するか」という部分が大事だと思うんです。ダイナミックプライシングっていう強みもあるんですけども、やはりフル稼働でずっと埋まり続けるということはなかなかないと。
なので、「埋まってない時間」をどれだけ収益化できるか、と言った時に菓子製造であったり、飲食店営業など色々な許認可さえあれば、例えば清掃員の人たちにも、ただ清掃してもらうんのではなく、クッキー作った後に清掃してもらうという事ができないかと考えてました。
それならば「清掃員探してます」だけではなくて、マルシェで使うクッキーを一緒に作りませんか?というノリで募集もできますし、空いてる時間があれば、そのスペースでリモートワークもできますよ、といった付加価値をつけることによって、人も比較的採用しやすいんじゃないかなとか、そういうスキーム化ができるのでは?と考えていたので、レンタルスペース自体を運用する事は決めていたんです。
ただ、それを「誰と」「どうやるか」というのをずっと考えておりました。
─なるほど。そこでリノスペと出会ったわけですね。
中山様
はい。たまたまリノスペさんと出会って、竹越さんと話をして、竹越さんも飲食業を経営された経験があるので、そういった気持ちをわかっていただけたのと、竹越さん本人のキャラクターもなんかすごく私と合うな、と感じたんですね。
ワクワクしながら、市場を開拓していく姿勢が、とても自分としても相性が良いなと思い、お世話になってるっていうのが現状です。
─やはり人柄というのも重要なところになりますよね。
中山様は、リノスペ使う前からもうリノスペの使い方マスターみたいな感じですね。
それだけ具体的に使い方が描けてる人もなかなかそういないんじゃないかなっていう感じですけど。
中山様
例えばですね、これが僕の持ってるフードトラックを使ったイメージ画なんです。
中山様
通常だとフードトラックの中から商品を提供するっていうのがキッチンカーの一般的なスタイルだと思うんですけど、実はこのフードトラックの中は古着屋になってまして、フードトラックの前でベーグルを販売します。
そのベーグルもただのなんとかベーグルではなくて、地域の特産品を合わせたオリジナルのベーグルを提供しているんです。ベーグルの販売自体は既にやっていまして、今は古物商の免許を申請しているので、それが取れれば古着の販売も始められるんです。
─すごいですね!
中山様
昔この場所はこんな場所だったよという昔の地図と、現在の様子を重ね合わせるような動画コンテンツを流したりして「衣食住」の刺激が得られる場所にしようと思ってます。
地元の大学とかに結構ランチ難民の学生さんがいらっしゃるんで、そこへ駆けつけてベーグルも売って、古着も売って…みたいな取り組みを進めているところです。
大学で出店する場所も既に決まっているのですが、他に土日は公園など、イベントがあれば行きたいなと。埼玉市を中心に半径二十キロ圏内のところ、行けるところは行ってみようかなという感じで今準備を進めています。
─いや、ちょっと私事ですが、僕もすごい古着好きなんで。
できたらちょっと行ってみたいなって。
中山様
そうなんですね。レコードとか8ミリビデオとか、今で言うとエモい感じのものが、僕自身好きでして。そういうものを提供することによって、老若男女の方が話すきっかけになると思うんですよね。
例えばおじいちゃんの場合は昔懐かしい八ミリだったり、僕らの世代であれば、レコードやCDなど「昔あったよね?」っていう会話が弾む、サードプレイスのような場所が実現できればいいなって思っているんです。
─確かにそれをきっかけに年齢の垣根が越えられるっていうのは素晴らしいですね。
中山様
そうですね。
なので、レンタルスペースをコア事業で、そこに派生した事業としてフードトラックもあり、フードトラックで作るものはレンタルスペースでも作れるし、余ったものはレンタルスペースでも売れる。で、そこで人の採用もできるから、清掃も含めて完結できる。そういうスキームを考えているんです。
─なるほど。ありがとうございます。では、リノスペの話に戻させていただくんですが。
実際にリノスペを始めようということになって、リノスペ本部と物件ができるまでのやりとりでは、どう感じられましたか?
中山様
僕がやりたいことは、リノスペさんにもお伝えしたので、それに合致するように選定いただいて、確か三つほど物件を紹介いただきました。
そのうち一軒が四谷だったんですけど、LINEで「とうとう見つけました!」みたいな連絡が(笑)。
そんな連絡をもらったら見ないわけにいかないだろう…という感じで内見をしました。
実際に貸し出す上で、物件のユーザビリティはもちろんですが、さらにそこで僕はベーグルを作るという事があるので、オーブンを導入するとある程度ワット数が確保できないといけない、といった条件があったのですが、そこにもしっかり合致していたんですよね。これは、しっかりヒアリングをしていただいたから、適切な物件を紹介していただけたんだと感じましたね。
─なるほど。まさに「とうとう見つけました!」にふさわしい物件だったんですね。事前にやりたいことを伝えて、それにレスポンスするような形で物件を提案してくれるからスムーズですよね。
では物件が決まって、内装などを決める際のやりとりはどんなふうに感じましたでしょうか?
中山様
内装に関しても、もともと実績があるのでスムーズにお話はできたんですが、僕の方の一つの条件に、設計に関しては「我々の方で担当したい」というお話をしたんです。
やはり、フードトラックやベーグルは、ブランディングを統一したかったんですね。
先ほど申し上げたベーグル屋さん「宮田ベーグル」という店舗が埼玉市の岩槻にあるのですが、その宮田ベーグルの設計施工の担当者が僕のチームにいるんです。その設計担当が建築士一級とインテリアコーディネーターの資格を持っており、内装にも詳しいので、設計はこちらで担当したいとお話しました。
そして現場の施工管理など、フィールド的な動きは、リノスペさんにお願いするっていう形で仕事のチームとして連携していく形で進めてもらいました。
─ご自身のそのブランディングがあって、そのイメージに基づいて内装を作ってもらうという形で、そこでイメージの齟齬が起きるようなこともなく、イメージ通りに仕上がりましたか?
中山様
そうですね、少しだけ施工管理に関しては期間が長すぎたな、っていうのが正直ありました。
それはリノスペさんに、「ちょっと長いですね」と口添えをさせてもらいました。ですが、物件はしっかり納得のあるようなものには仕上がりました。
─仕上がりのトータルの印象としては良かったかなというところですね。
現場の人もそう率直に言ってもらった方が今後のためにも役立ちますでしょうね。
─さて、内装が出来上がったところで、初めて出来上がった物件をご覧になられた時は、実際どんなお気持ちでした?
中山様
いや、それはもう嬉しかったです。
テンション上がりましたよね。やっぱり想像以上だったんですよ。
多分築四十年近い本当に古い雑居ビルでして、結構内装もボロいっていうか、いろいろ壁に黄ばみなどもあったのですが、それが一掃されてました。
外観では中に入る瞬間までどうなってるかわからないのですが、中に入るとギャップがあっていいなと思いました。
─そのスペースを使って、ご自身がやりたい、やられたいことがもうなんかすぐにイメージできるような。
中山様
そうですね。
─それは素晴らしいですね。ありがとうございます。
で、物件が出来上がって、実際に運用が始まってからはどんな印象をリノスペに持たれましたか?
中山様
運用が始まってからは、チャットワークを活用した情報共有をしてまして、二十四時間対応していただいたので、そこはすごくスムーズにやりとりができました。
─すごい。24時間対応だったんですね。
中山様
ほぼ24時間対応な感じでしたね。
なのでアフターフォローはしっかりしていただいたという印象です。
ただ一つ強いて申し上げるのなら、(利用者向けの)カスタマーサポートの部分の文面が比較的テンプレっぽい感じがありました。
得てしてそうなりがちだとは思うんですけど、レンタルスペースの場所や、実際そこに来るお客様の属性とかによって、あまりテンプレっぽくない文章とか演出も大事なのかな、と僕は考えていたんです。
そこは色々フィードバックいただきながら、我々の方でもそれをカスタマイズして、別途資料を作って、添付して送る…などの対処をするようにしました。
─なるほど。ありがとうございます。
実際に収益の方についてはどうでしょう。
中山様
収益は今のところ順調ですね。
ただ、思った以上にスタートダッシュは良かったので、これからちょっと不安なんです。
─逆に(笑)
中山様
はい。たまたまクリスマスシーズン前の9月、10月から運用が始まったのですが、3ヶ月以内の予約が取れるので、9月からスタートであれば、9、10、11。
それからクリスマスシーズンに突入していくので、そこで一気に予約が入りました。一ヶ月で最高で40件程入ってきたので、一気にスタートダッシュを切れたんです。
─今のところ順調。もうちょっと怖くなるほど順調というところですね。
中山様
また3月ぐらいから、ちょっとこう落ち着いてくるかなと考えています。
オープン当初っていうところもあるので。
─はい。でも九月オープンでなんかそこまでこう順調にいってるっていうのは素晴らしいですね。スタートダッシュがやっぱり肝心ですよね。テンションの上がり方が違いますもんね。
中山様
今、レンタルスペースのビジネスの面白みっていうのをすごく感じてるところです。
お客様の属性がとてもバラバラなんですよ。例えば百貨店とか駅ビル、駅ナカとかだったら、なんとなくこんな感じのお客さんが来るだろうっていうのがあると思うんですが、レンタルスペースは本当に幅が広いですね。
─確かにその幅広い人が使ってくれるから面白いし、収益についてもそこは関係してくるのかなというところですよね。
─実際にリノスペを始めてみて、例えばご自身のお仕事や、ご自身の生活に何か変化があったことってありますか?
中山様
それはめちゃくちゃありますね。僕、平日はリノスペキッチンにいることが多いんですよ。
要は、清掃を僕自分がやっているので、例えばお客さんが今日入ったら、今日入った夜に清掃してから自分の家に戻る。なのでライフスタイルががらりと変わってますね。
─なるほど。
中山様
自分の経営する会社が築地にあるので、四ツ谷から築地までの移動は20分ぐらい。
なので会社に泊まったりして、金土日で自分の家に戻ってきて家族に会うという、週末実家に帰るような、都心単身暮らしのような、そんな感じで悠々自適に過ごしてます。
─もうどっぷりリノスペライフですね。
中山様
新宿御苑が近いのでランニングしたりとか。銭湯行ったりとかしてますね。
僕もちょっとそういう生活をしてみたかったんです。
フードトラックって元々キャンピングカーなので、フードトラックを使って道の駅に行ってリモートワークで仕事するっていうのも、コロナ後とかにやっていたのですが、それは全然収益を生むものではなかったので。
でもレンタルスペースなら収益をしっかり取りつつ、空いてる時間でクッキー作ったり…みたいな使い方ができるんです。
─すごい。もう収益を生むサードスペース(笑)。
中山様
そういうふうにフル活用してます。
あと、竹越さんには僕は清掃を自分でやるんで、と最初から伝えていたんです。
─その清掃をご自身でやられるっていうのは、何か思いがあってやられたんですか?
中山様
自分の会社がパラレルキャリアっていうものを推奨してまして、いろんな仕事を自分でやってみたいっていう気持ちが昔からあったんですよ。学生時代の時も本当にバイトをかけもったりしてました。
築地の聖ロカターナに当社の事務所がありましてね。37階なんで高層ビルの夜景が綺麗なんですよ。高層ビルから古民家の軒下まで「鳥の目」と「虫の目」みたいなイメージで、マクロとミクロを見ていくっていうのを意識しているんです。
例えば一方では都内で仕事をする「アーバンビジネス」、一方ではその地元のコミュニティを対象としたベーグルっていう「ローカルビジネス」で、経済を自分で体感を持って意識したり。
一方ではコンサルティングもやるし、清掃もやるという。そんな風に自分の中に「幅」を持っていたいというのがあって、リノスペを始める時に自分でカスタマーサポートも清掃もやって、大体一年通じてどういうような感覚なのかっていうところを自分で理解するようにしたんです。
リノスペさんって全体を事業として見るじゃないですか。
事業というのはマクロ的な部分だと思うし、どちらかといえば定量的な部分だと思うんです。数字を見てああだこうだ、っていう。
例えば変な話、今日またゲストの人数ちょろまかしてないかなとか、あんなとこでタバコ吸ってやがるとか、そういう細かいところは、リノスペ本部は見れないと思うんですよ。
だからその部分を僕が見て、全体を見るところと、僕の見てる部分との整合性を見ながら、どういう方向性がいいのかなと僕は見極めていきたいなと思い、自分でやりますって伝えたんです。
─素晴らしいですね。
そんな取り組み方されたら、リノスペ本部も嬉しいでしょうね。では最後に、これからリノスペをもし始める人たちに何か背中を押すような一言をいただければと。
中山様
そうですね、運用しているスペースは「思いを形に、夢を実現する場」という位置で僕は考えてるんです。
イノベーションとスペースの関係を考えた時、リフォームではなく、リノベーションというのはスクラップアンドビルドで壊して作るのではなく、「今あるものを生かして作る」という部分が、それぞれの好きなこととか、趣味とかっていうものを生かした上で、そのスペースで何ができるの?と考える事に繋がっているんです。
なので、ただのお金が稼げる場所という話ではなくて、思いを形にしていく場所、夢を実現する場所として、このスペースを考えています。
夢を追う人たちを応援したり、自分も夢に向かって挑戦してみたい、という人たちが集まると、年齢も関係なく楽しめるんじゃないか、人生を謳歌できるんじゃないかと僕は思います。
そんな同じ気持ちの方がいれば、リノスペの運用はすごく向いていると伝えたいです。
─ありがとうございます。大変素敵なお言葉をいただきました。本日はありがとうございました!
中山様
こちらこそ、ありがとうございました!
リノスペkitchen四ツ谷【新宿区/四谷三丁目駅】
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